2006年02月11日

世界各地で広がっている風刺画問題

昨年9月にデンマーク国内のユランズ・ポステン紙が掲載したイスラム教の預言者ムハンマドを風刺した漫画がアラブ諸国で波紋を広げ、今ではマレーシア、インドネシアなどのアジア諸国からも批判の声が上がっている。

デンマーク製品の不買運動に加え、アラブ諸国のデンマーク大使館への放火までにも発展していってしまった。

その問題となった風刺漫画は時限爆弾付きのターバンを巻いたムハンマドを描いたもので、デンマーク紙はイスラム教の預言者をテロリスト扱いに見立て、偶像崇拝を禁じているイスラム教では預言者の姿を描くことすら許されていないにも関わらず、それを戯画化され、イスラム教徒達の憤りは頂点に達している。

サウジアラビア、クウェート、イラクではデンマーク製品の売買をボイコットし、評議会選挙が行われたパレスチナでは選挙に勝利したイスラム原理主義組織ハマスがデンマークの国旗を燃やす騒ぎまで起きた。

しかし、その反対にドイツ、フランス、イタリア、スペインでは『表現の自由』を主張し、『イスラム教には風刺を理解する力がないのか』と反発。

問題の原因となったユランズ・ポステン紙はその編集局長が解任し、風刺漫画を掲載したことを謝罪したが、デンマークのラスムセン首相は『表現の自由は最重要の原則。謝罪など有り得ない』とイスラム教徒の抗議に屈しない姿勢を表し、イスラム教徒の抗議に反発したヨーロッパ各国はドイツ、フランス、イタリア、スペイン、オランダ、スイス、チェコで同じような風刺漫画を掲載し、逆にイランではホロコースト(ナチスのユダヤ人大量虐殺)を題材にした風刺漫画のコンテストを行い、『表現の自由』があると主張したヨーロッパ各国に食って掛かった。

確かにイスラム教のイスラム共同体(ウンマ・イスラミヤー)にはイスラムを阻害しようとする者や異教に対しては聖戦(ジハード)つまり今で言うテロ(イスラム教では背教者や異教徒へのテロはジハードとして正当化される)を起こすという集団意識みたいなものがあるが、問題となった風刺画はただのイスラム教徒に対しての侮辱的行為にしか過ぎないと思う。

唯一、イスラム教徒以外の国が擁護したのは意外にもあのアメリカ。

『侮辱的。怒りを共有する。』と普段とは打って変わってイスラム教徒の味方についた。

この擁護にはいったい何の意味が込められているのだろうか?気になるところだ。

うちらのような宗教意識の殆どない日本人にしてみれば、風刺画ごときで何でこんなに問題になるのか?と思うかもしれないが、イスラム教のように愛国心があり、宗教心の強い国々の教徒にしてみれば人権を侵害されたような気持ちになるに違いない。

スンニ派、シーア派合わせて全世界に12億人以上もの教徒を誇るイスラム教。

そのイスラム教が今迫害され続けている。考え方や感じ方などの価値観の違いが異文化間の相互理解の溝を深くしてしまっているが、その文化や宗教の差異だけで偏見や戦争へと繋がっていってしまう今の世の中を悲観に思う。

お互いの文化を認め合う『文化相対主義』的な国際社会になる日はいつの日か訪れるのだろうか・・・・。

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posted by Hiro at 01:15| 千葉 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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